韓国「慰安婦」財団準備委、展望なき門出

发布者:发布时间:2016-06-02浏览次数:230

 12/28合意実現に向けて、韓国の「慰安婦」財団が発足したものの、「10億円」の性格について、金兌玄(キム・デヒョン)委員長は「賠償金ではない」と明言。外交部が、「日本政府の責任、謝罪と反省の立場を実質的に裏付ける履行措置だ」と異なる見解を述べ、初日から迷走。金委員長は「和解と癒し」を強調しますが、被害者が望むのは、癒しや支援ではなくことは明らかで、1995-2007年のアジア女性基金と同じ騒動の繰り返しです。
 ひとつ、異なる点は、アジア女性基金は、正当な善意を主張して譲らない加害国の村山富市首相、和田春樹、大沼保昭氏、外務官僚ら日本の男性vs韓国の被害者・支援団体の女性という構図が顕著でしたが、今回は朴槿恵大統領・金兌玄委員長vs韓国の被害者・支援団体の女性らの韓国国内の女性同士の闘いになりつつあり、結果、漁夫の利を得るのは安倍政権に代表される日本の男社会・・・という皮肉な流れになりつつあります。
 挺対協の糾弾声明、日本の市民団体の緊急提言も添付します。

2016/05/31-18:16 時事
「国民的支持」ほど遠く=元慰安婦支援の財団-韓国
 時事

 【ソウル時事】日韓両政府の合意に基づく元慰安婦支援のための財団準備委員会が31日発足し、合意履行に向けて第一歩を踏み出した。ただ、合意に反対する野党や慰安婦支援団体は合意の撤回、再交渉をあくまで求める構えで、「国民的支持」を得るにはほど遠い状況だ。
 「被害者の考えに耳を傾けることから始めなければならない」。準備委員長に就任した金兌玄・誠信女子大名誉教授は記者会見でこう強調し、「被害者に一貫して寄り添っていく財団になる」と約束した。「元慰安婦らの意見を十分聴取しないまま合意をまとめた」という批判を意識した発言で、元慰安婦の意向を最優先して取り組む姿勢をアピールした形だ。
 金委員長はまた、「どんな形であれ、関連団体の参加を歓迎する」と呼び掛け、合意に強く反発している元慰安婦支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」などを念頭に、財団への協力を求めた。
 だが、挺対協は強硬な姿勢を崩していない。準備委発足に合わせて発表した声明で「合意は被害者を排除している」と改めて非難。「合意の撤回を求める声を無視し、財団設立を強行した(韓国)政府に深い失望と怒りを覚える」と表明し、合意の履行中止を要求した。
 最大野党「共に民主党」のスポークスマンも「政府は財団設立で合意の既成事実化を図っている」と批判。「屈辱的で拙速な合意が無効なのは明白」と主張した。
 「共に民主党」内では、金鍾仁非常対策委員会代表のように、「政府間で合意した以上、迅速に履行していくべきだ」という声もあるが、少数派にすぎず、挺対協や野党からの協力獲得が現実的には難しいのが実情だ。
 生存中の元慰安婦42人の中には、挺対協などに属していない人も多く、準備委は当面、そうした元慰安婦を個別に説得し、同意を取り付けながら、活動を進めていくとみられる。

2016年5月31日 20時20分毎日
慰安婦財団設立へ準備委…委員長に女性学者

 【ソウル大貫智子、米村耕一】昨年12月の慰安婦問題をめぐる日韓合意履行のための財団設立に向けた準備委員会の初会合が5月31日、ソウル市内で開かれた。元慰安婦支援の枠組み作りが今後の主な課題だが、元慰安婦支援団体などは反発しており、韓国政府が6月中をめどとする財団設立への道のりは険しそうだ。
 委員長に就任した女性問題専門家の金兌玄(キム・デヒョン)誠信女子大名誉教授(66)は初会合後の記者会見で、元慰安婦の心の癒やしや、日韓の和解といった意味を込め、財団の仮称を「和解・癒やし財団」とすることを明らかにした。財団の目的は「被害者が心から望むことを実践できるよう努力することが基本」と強調。合意に反対している団体に「どんな形であっても参加することを歓迎する」と呼びかけた。
 だが、強硬に反発する元慰安婦支援団体の一つ、韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)は31日、「財団設立を強行し、被害者や支援団体の意思を裏切る政府を糾弾する」とする長文のコメントを発表。4月の総選挙の結果、国会では合意に否定的な野党が多数を占めており、反対圧力の高まりも予想される。
 日本側にとっての懸案であるソウルの日本大使館前の少女像移転について、金委員長は「(日本側が合意に従って拠出する)10億円と少女像は関係ない」と指摘し、「合意では、像を設置した民間団体と対話して解決したいということになっている」と述べた。国内の反発が強い中で、財団設立と少女像移転を関連づけるのは難しいとの見解を示した形だ。

2016.5.31 13:14 共同=産経
【「慰安婦」日韓合意】財団準備委発足、挺対協「韓国政府に絶望と怒り」

 慰安婦問題を巡る昨年末の日韓政府間合意に基づき、元慰安婦を支援する財団の設立準備委員会が発足したことに対し、民間の支援団体「韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)」は31日、「反対の声を無視し、独断で財団設立を強行する政府に深い絶望と怒りを感じる」とする立場を表明した。
 挺対協は日韓合意を「賠償でもないお金で被害者の口を封じ、歴史を消そうとする企てだ」と改めて批判。「国民の意思をないがしろにした、誤った合意の強行を中断しろ」と要求した。
 また4月の総選挙での与党セヌリ党敗北を強調し、今国会で「(野党を中心に)合意の無効を確認し、韓日両政府が再交渉を進めるよう求める決議案が上程される予定だ」と主張した。(共同)

(共同)

2016.05.31 共同=夕刊フジ
韓国主体で慰安婦財団運営 「アジア女性基金」との違いを強調

  昨年末の日韓両政府の合意に基づき、韓国政府が旧日本軍の元従軍慰安婦を支援するため設置する財団の設立準備委員会の金兌玄委員長(66)は31日、準備委の第1回会合後の記者会見で、財団の仮称を「和解・癒やし財団」としたい意向を示した。
 日韓合意は、財団は韓国政府が設立、日本政府が資金を拠出し「日韓両政府が協力して事業を行う」としている。金氏は「(元慰安婦らが)何を望み、必要としているか(の把握)は、私たちが主体的に行う」と語り、日本政府の主導で1995年に創設され、元慰安婦らに「償い金」を支給した「アジア女性基金」との違いを強調した。
 韓国外務省報道官は31日の定例会見で「合意の着実な履行に向けた出発点となるよう期待する」と表明。
 金氏は財団について、民間組織として発足させることで、政府と比べ元慰安婦らと接触しやすく、意見聴取などが容易になるとの利点を挙げた。(共同)

 2016/05/31 15:07 聯合ニュース
10億円は「賠償金ではない」 慰安婦支援財団の準備委員長

【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦問題をめぐる昨年末の韓日合意に基づき、韓国で31日、被害者支援の財団設立に向けた準備委員会が発足し、委員長を務める金兌玄(キム・テヒョン)誠信女子大名誉教授が記者懇談会を開いた。
 韓日両国は、韓国政府が慰安婦被害者の支援財団を設立し、日本側が10億円を拠出することで合意している。
 金氏は、この10億円の意味について問われ、「(被害者を)治癒するための資金であり、賠償金ではない」と答えた。日本が慰安婦問題について責任を認めて謝罪したため、10億円には賠償の意味合いがあるとする韓国政府の説明と食い違うことから、波紋が予想される。
 金氏は「日本政府は事実の認定もしていない状況で、ひとまず責任を認めた。被害者の傷を癒し、名誉を尊重する目的で10億円を拠出するのだから、賠償金とは見なし難い」と説明した。
 今後の活動については、まずは被害者の声に耳を傾けることから始めるとし、「被害者の痛みに心から寄り添い、これに応えたい」と語った。また、被害者にとって何が最も適切な事業なのかを考えていくとし、「どんな形であれ、関連団体の参加を歓迎する」と述べた。被害者を支援する韓国の市民団体などは韓日合意に反対している。
 金氏は33年間にわたり女性と高齢者の福祉問題を研究し、関連活動を行ってきた女性学者。朴槿恵(パク・クネ)大統領に近い。財団が設立されれば理事長に就任するとされる。


2016/05/31 18:13 聯合ニュース
日本の10億円拠出は「責任・謝罪を裏付ける措置」=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国外交部の趙俊赫(チョ・ジュンヒョク)報道官は31日の定例会見で、旧日本軍の慰安婦問題をめぐる昨年末の韓日合意に基づき日本政府が慰安婦被害者の支援財団に拠出する10億円について、「日本政府の責任、謝罪と反省の立場を実質的に裏付ける履行措置だ」との認識を明らかにした。
 趙報道官は、韓国で同日発足した被害者支援の財団設立に向けた準備委員会の委員長を務める金兌玄(キム・テヒョン)誠信女子大名誉教授がこの10億円について「(被害者を)治癒するための資金であり、賠償金ではない」と発言したことをめぐる質問に答えた。
 趙報道官は「日本政府が拠出する10億円の意味を総合的に勘案すれば、こうした措置が何を意味するのか十分に理解できる」と強調した。
 日本政府の拠出金に事実上の責任認定に伴う賠償の意味合いがあるという従来の韓国政府の立場を間接的に再確認したものとみられる。
 また、金氏が「韓国側が主体的に財団を運営していく」と発言したことに関する質問には、「必要な事案については日本側と協議しながら事業が実施されるだろう」と答えた。
 さらに、「準備委員会は今後、被害者の方々に会い、被害者の意見を聞いた上で事業を実施していくと承知している」と述べた。

5月31日 16時27分 NHK
韓国 元慰安婦の女性支援の財団設置へ準備委発足

 慰安婦問題の最終的な解決に向けて、日韓両政府の合意で韓国政府が設置する、元慰安婦の女性たちを支援する財団の準備委員会が発足し、31日、ソウルで初会合が開かれました。
 慰安婦問題を巡っては、去年12月末の日本政府と韓国政府の最終的な解決に向けた合意で、韓国政府が元慰安婦の名誉と尊厳の回復や、心の傷を癒やすための事業を行う財団を設置することになっていて、日本政府がおよそ10億円の資金を拠出することにしています。
 これを受けて、韓国政府は来月にも財団を設置したいとしていて、31日は設置に向けた準備委員会が発足し、ソウルで初会合が開かれました。委員会のメンバーは政府の当局者や有識者など11人で、委員長に就任したソンシン女子大学のキム・テヒョン(金兌玄)名誉教授が、会合のあと記者会見を開き、「元慰安婦たちが本当に希望することを実現させるため努力する」と、述べました。
 一方、日本が撤去を求めているソウルの日本大使館前に設置されている少女像の問題については、「両政府の合意では少女像を作った民間団体と政府が持続的に対話をして解決していくことになっている」と述べ、財団の活動とは関係がなく韓国政府が取り組むべき問題だという立場を示しました。
 韓国政府 特別チーム作り議論
 韓国政府は、財団の設置に向けて日韓の外交や歴史問題に詳しい専門家などを集めた特別チームを作り、財団の在り方や日本政府が拠出する資金の具体的な使いみちなどについて、議論を進めてきたということです。
 議論の中では、日本政府が拠出した資金の一部について、元慰安婦本人だけでなく遺族にも速やかに渡すべきという意見が出たということです。
 また、元慰安婦たちが治療を受けられるような医療施設を新たに設置すべきだとか、亡くなった元慰安婦を追悼する施設を作るべきではないかという声も出たということです。
さらに、今も合意に強く反対している元慰安婦たちを支援している市民団体なども、財団の活動に参加できるようにすべきだという意見もあったということです。
 31日に設置された財団の準備委員会は、こうした意見も踏まえて具体的な活動の内容などを議論するとみられます。
 日韓合意に反発の動きも
 財団の準備委員会の初会合が開かれた会場の外では、日韓両政府の先の合意に反対する大学生たちおよそ30人が集まり、「元慰安婦の声を無視した合意を破棄しろ」とか、「日本に免罪符を与える財団の設置に反対する」などと書かれたプラカードを掲げて抗議しました。
 また、先の合意に反対している元慰安婦の支援団体の1つ、挺対協=韓国挺身隊問題対策協議会は声明を発表しました。この中では「韓国や国際社会で沸き起こった、合意の反対と無効化を求める声を無視して、独断で財団の設置を押し切ろうという韓国政府に深い絶望と怒りを感じる」と激しく抗議しています。そのうえで「日韓両政府は、被害者と国民の意思を無視する誤った合意内容を強行することをやめなければならない」として、改めて合意に反対する立場を強調しました。

元慰安婦支援財団の設立準備委員会が発足

 いわゆる従軍慰安婦問題の最終決着に向けて、韓国人元慰安婦を支援する財団の設立準備委員会が発足しました。
 財団設立のための準備委員会は31日、初会合を開き、元慰安婦への支援内容や財団の方向性などを話し合いました。委員会は、6月末までの財団設立を目指します。
 「(元慰安婦)一人一人の名誉と尊厳の回復と、心の傷を癒やすよう支援するのが、財団事業の大きな方向性です」(財団設立準備委 金兌玄(キム・テヒョン)委員長)
 日韓両政府は、昨年末、韓国が設立する財団に日本が10億円を拠出することを決め、慰安婦問題解決の「最終的な合意」だと発表しました。
 しかし、委員会の会場前では学生が抗議集会を開くなど、日韓合意に反対する声が根強いほか、日本大使館前の少女像の撤去のめども立っておらず、財団スタートまでには紆余曲折も予想されます。

2016年5月31日 20:35 NNN 動画:http://www.news24.jp/articles/2016/05/31/10331485.html
合意基づき元慰安婦支援へ 準備委員会発足

 慰安婦問題の解決に向けた日本と韓国の合意に基づき、元慰安婦を支援する財団の設立準備委員会が31日、韓国で発足した。
 慰安婦問題をめぐる日韓合意では、韓国政府が元慰安婦を支援するための財団を設立し、日本政府が10億円程度を支出することになっている。
 これに基づき韓国政府は31日、財団設立のための準備委員会を発足させ、ソウルで1回目の会議を開いた。準備委員会の金兌玄委員長は「名誉と尊厳の回復や、心の傷の癒やしに向け、被害者が真に希望することを実現させる」と述べた。韓国政府としては合意に対する反発が根強い中、財団への理解を得て、合意の履行に前向きな世論を高めたい考え。
 財団は来月末にも設立される見通しで、「和解・治癒財団」という名称が検討されているという。


 2016.06.01 05:22
[社説]さらに問題解決難航させる慰安婦財団

キム・テヒョン財団設立準備委員長//ハンギョレ新聞社
 日本軍慰安婦支援財団設立のための準備委員会が31日発足した。政府が被害の元被害慰安婦や市民社会団体の激しい反発にもかかわらず「昨年12月の韓日合意の押し付け」に踏み切ったのだ。このような試みは慰安婦問題を巡るあつれきを高めて問題解決をさらに難しくさせることは明らかだ。
 政府の無茶な姿勢は、準備委員会発足に関連した「小細工」にもよく表れている。政府は設立される財団は政府主導組織なのに「非営利民間財団」と述べている。この財団に関連する国会審議などを避けようとする意図が強く感じられる。与野数逆転の国会開会の直前に準備委員会を発足させたのも同様である。日本が財団に払うことになっている10億円は「事実上賠償の性格がある」という政府の説明も日本はまったく肯定しない作為的な解釈だ。キム・テヒョン準備委員長が「治癒金であって賠償金ではないと考える」と明らかにしたこととも食い違う。
 約1カ月後にスタートする財団がきちんと機能していくかも疑問だ。まず事業内容を巡って韓日間に異見があるうえ、日本が駐韓大使館前の「平和の少女(慰安婦)像」の撤去を要求する可能性がある。韓国としては多くもない金で丸め込まれることもありうる状態だ。その上、被害者の多くと市民社会が韓日両政府主導の財団設立に強く反対している。元被害慰安婦は民主弁護士会を通じて「12・28合意」の違憲の有無を問う憲法訴訟まで提起している状態だ。日本の歴史学系を代表する15の研究団体も長い論議の末に12・28合意を批判する「連帯声明」を30日に発表した。
 慰安婦問題がますますこじれるのは、韓日両政府が誤った合意を皆に強要するためだ。比較的穏健な連帯声明でさえ「政府間で一方的に『解決』を宣言して以来の議論を封じ込めるようなやり方では、慰安婦問題の根本的な解決はない」としている。世界中どこでも過去の歴史問題を解決するには公式と呼べるほどの手続きを踏むものだ。真相究明、謝罪、賠償、責任者処罰、歴史教育、記念事業などがそれにあたる。12月の合意はこのうちどれ一つまともに満たせていない。
 慰安婦問題をきちんと解決しようとするならば再協議は避けられない。開会後の国会には、合意は法的、政治的、外交的に無効であることを確認して両国の責任ある再協議を促す決議案が提出された。両国政府の目覚めが必要な時である。


[挺対協声明] 財団設立を強行し、被害者と支援団体そして国民の思いを踏みにじる政府を糾弾する
 
 韓国政府が今日、日本軍「慰安婦」被害者支援のための財団設立準備委員会を公式発足させ、初会合を開く。来月には財団を公式発足すると発表し、歴史の時計の針を逆回しにした、12月28日の日韓政府間の日本軍「慰安婦」合意を推し進める構えだ。
合意後5ヶ月間、韓国全土や国際社会でたいまつのように巻き起こった合意反対と無効化の声を無視し、不通と独断で財団設立を強行しようとする政府に、言葉にできない深い絶望と怒りを感じる。
  12.28合意は、被害者を排除してなされたという手続き的な欠陥はもちろん、内容においても賠償ではない「お金」で被害者の口をふさぎ、歴史を消し去ろうとする間違った合意だということが、各国市民社会だけでなく、国連人権専門家などからも確認されてきた。何よりも、被害者は最後まで反対の意思を表明し、日本の国家的犯罪に対する明確な責任認定と法的賠償など、過去25年間叫んできた正当な要求を実現するよう訴えている。5月18日から20日まで開かれた<第14回日本軍「慰安婦」問題解決のためのアジア連帯会議>では、10地域から参加した生存者と活動家が、12.28合意が両国政府の主張どおり「最終的で不可逆的な解決」ではないどころか、根本的に問題解決がなされなかったと宣言し、このような間違った合意で日本軍「慰安婦」問題を終結しようとする日韓政府を強く糾弾した。
しかし、この叫びを聞かず、いや聞いても聞かないふりをする白々しい日韓両政府が、「和解と癒し」のための財団の設立を強行するとは、いったい誰のための、また誰による和解であり癒しなのか問わざるをえない。政府間政治的談合に過ぎない、紙切れ一枚残さないたった数行の外相の口頭発表で、25年以上正義のためたたかってきた被害者と民間団体の努力を無力化させ、生涯重くのしかかった苦痛の中で生きてきた被害者を再び絶望に陥れる、あきれた現実をとうてい信じることができない。
  今だ日本軍「慰安婦」問題に対する強制動員を公式的に否認し、被害者の苦痛とたたかいを象徴する平和の少女像の撤去を要求する日本政府を庇護するかのように、間違った合意を忠実に履行する朴槿恵政府の屈辱外交が、彼らの言葉どおり本当に被害者の名誉を回復し傷を癒すことなのか?時間との闘いの中にいる被害者に向かって、かえって時間を言い訳に「独断的な合意」をしておいて、賠償でもない性格さえ不透明な「お金」を受け取れと強要する。日本政府が「責任」だと言うと「法的責任」、「政府予算」と言えば「賠償」と過大装飾や創意的解釈をして、日本軍「慰安婦」問題を終結させようとする朴槿恵政府に、これ以上日本軍「慰安婦」被害者を慰労する資格さえ残っていない。
  4.13総選挙で不通と独善に向かう政府と与党に背を向けた民意を土台にして、ついに30日、20代国会が開会した。両国政府間の合意は、法的・政治的・外交的に無効であることを確認し、日韓両政府が日本軍「慰安婦」被害者に対する真の謝罪と法的賠償などのため責任ある再交渉を推進することを求める決議がすぐにでも上程される予定だ。あまりにも当然な民意の表明であり、立法府の警告である。政府はこれをしっかりと見て聞き入れなければならない。合意以降、至るところで爆発した憂慮と怒り、反対と訴えをこれ以上無視してはならない。
  日韓両政府に要求する。被害者の思いを踏みにじり、市民社会を無力化し、国民の思いを地面にたたきつけるような間違った合意の強行を中断せよ。特に、これまで孤軍奮闘し民間外交によって被害者と市民社会が実現してきた国際社会の判断と支持そして被害者たちの妥当な要求を一瞬にして覆してしまった政治的合意をしただけでは事足りずに財団設立を強行するならば、韓国政府は日本政府に10億円で免罪符を売り渡した恥ずかしい政府として歴史に残ることになるだろう。
私たちは、被害者と市民の思いをこめた<日本軍「慰安婦」正義と記憶財団>設立をはじめ、韓国だけでなく各地のすべての被害者とともに、両国政府の不当な動きに屈せず、日本軍「慰安婦」問題の正義の解決のため前進することをあきらかにする。
 
       2016年5月31日         韓国挺身隊問題対策協議会


 「慰安婦」問題の立法解決を求める会(共同代表=本岡昭次元参院副議長・荒井信一茨城大学名誉教授)は本日下記の緊急提言を発表し、安倍首相あて要望書を内閣府大臣官房総務課冨永康男専門官に手渡しました。
 朴槿恵大統領あての要望書は明日駐日韓国大使館に提出予定です。
 
                  【 要 望 書 】
   12/28「慰安婦」日韓合意の一時凍結と被害者との真摯な対話を提言・要望します
 
日本国内閣総理大臣 安倍 晋三 様   大韓民国大統領 朴 槿恵 様

  昨年12月28日に発表された「慰安婦」問題に関する日韓外相合意から5ヵ月が経過しました。
  当初合意を歓迎する向きも多かったのですが、その後、韓国政府が被害当事者との対話・合意を欠いたままの合意であったことが判明し、被害者や支援団体、韓国野党からも反発が広がり、その実効性に対する疑問が広がってきています。
  合意を無効とする提訴も行われ、韓国国会では韓国外相を弾劾する決議案も準備されています。このまま日韓両政府が合意履行を強行すると、とりわけ韓国内で、さらに対立と不信が広がり、合意の趣旨を大きくそこねる歴史的な失態となりかねません。後世にも深い傷と禍根を残すことになることが憂慮されます。
 日本側には、約束した10億円を早期に韓国側に渡して、あとは韓国政府の責任にして、この問題の幕引きを急げとの声もあります。しかし、何のための10億円なのでしょうか? 10億円の根拠も不明で、目的・使途の詳細もあいまいなままで、いわば"手切れ金"のような一時金と見えます。そもそも被害者側がこの10億円という金額を求めたものではありません。強引に支給しても、その性格・使途をめぐっては、再び後に議論が起きることは必至です。
 被害者が高齢に達しているから、急がなければならないというのは、そのとおりですが、そのことは10年前、20年前から分かっていたことです。1995年に発足した「女性のためのアジア平和国民基金」のスローガンは、"今しかない、これしかない"でした。そして被害者側の合意を得ないまま、強引に支給事業を進め、失敗し、問題を今日にまで引きずってきています。再び同じ間違いを犯してはなりません。被害者と、丁寧に、敬意をもって話し合うことを優先すべきです。朴槿恵大統領も安倍首相も自ら被害者と面談し、その声に謙虚に耳を傾けるべきです。先週オバマ米国大統領が広島を訪れ、被爆者に直接会い、世界から注目されましたが、被害者と直接対面し、対話することが、日本の首相にとっても、韓国大統領にとっても、何より大切です。そのプロセスなく、「合意」を押しつけ、その履行を強行することに、私たちは賛成できません。
  日韓双方の外交当局者のこれまでの努力は認めますが、10億円の拠出と執行がゴールではないはずです。まだ努力が足りません。議論も足りません。被害者と被害者を抱える被害国政府は、まず韓国内でよく話し合い、つぎに日本側とも胸襟を開いて率直な協議を行うべきです。被害者の声に謙虚に耳を傾け、何が真の解決につながるのかを深く、広く検討すべきです。日本政府はまた、韓国以外の被害者への対応も進んで検討すべきです。
  日韓双方で強引かつ拙速に合意が履行されようとしている現状を深く憂慮し、昨年12月28日の「慰安婦」日韓合意の一時凍結と大幅な軌道修正を提言し、要望します。

    2016年5月31日 「慰安婦」問題の立法解決を求める会  共同代表 本岡 昭次・荒井 信一

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